■アメリカ・クレジットカード業界の現状
現在、諸事情のためアメリカで生活しているが、毎年年末になると特に増えて頭を悩ませるのがクレジットカードの勧誘。毎日、最低でも数通のダイレクトメールが郵送されてくる。また、電話での勧誘やメール等あの手この手を試してくる。山のような量のクリスマスプレゼントを買うためにお金が必要な一般消費者の心理を煽る作戦だ。
アメリカは言うまでもなく、クレジットカード社会である。たった数百円の買い物でもカードで払う人が少なくない。最近は、マクドナルドや他ファーストフード店の大半がクレジットカードを受け付けている。ところがその手軽さ・便利性の一方で返済の現実を理解している利用者が驚くほど少ない。
先日、“Maxed Out”というクレジットカード業界の現実を暴露するドキュメンタリー映画を鑑賞した。この映画は、世界大恐慌時代を上回るここ数年の自己破産率がどのよにして引き起こされているのかを明確に説明している。特に、政界と金融業界の癒着、金銭感覚が幼稚で無知な大学生をターゲットにする業界の悪徳、非道な回収業者の実態は必見だ。
映画の中で一貫して言えることは、現状のシステムでは上位に立つ者(大企業およびその経営陣)は下位に立つ者(ワーキングプア等)から巻き上げた金で更に金・権力を得るピラミッド構造だ。自分の周りでも、金利の計算ができず最低支払額を払い続け、多分一生ローンを払い続けることになるであろう人が実際にいる。映画の最後に、学生用カードローンを苦にして自殺した大学生の遺族の元に、自殺の原因となったカード会社からダイレクトメールが送られてきたという笑えない実話があった。
アメリカの現行教育では小学校4年生で既に金融の仕組みや税金について教えている。しかし、いわゆる金銭感覚を養う教育は怠っているようにみえる。そうすると金融業界は利益を損ない、経済が活性化しないからという政界の意図もあるのかもしれない。だが、このままではいずれ税金を払うべき国民の大半が破産して、国全体の経済まで破綻することを懸念する毎日だ。この傾向は既に日本でも蔓延しているように見えるが、日本もアメリカと同じ道を歩まないことを切に祈る。